本と珈琲。

本と珈琲が好きな夫婦の日常。2人で読んだ本についての議論やオススメのカフェを紹介できたらと思います。

【ネタバレなし感想】井上真偽『その可能性はすでに考えた』

細かい知識と緻密なトリック。

作者のミステリに対する強いこだわりを感じる。

既存のミステリに対するアンチテーゼのようでありながらしっかりとミステリ。

謎解きに特化するのではなく、

動機やストーリーも読者を置き去りにしないものになっている。

結末も含めて。

 

個人的にはフーリンの神の捉え方がしっくりきた。

このような美しい自然を作り出した神が、

何故人間という生き物をこんなにもアンバランスで利己的なものにしたのだろう。