本と珈琲。

本と珈琲が好きな夫婦の日常。2人で読んだ本についての議論やオススメのカフェを紹介できたらと思います。

【読書感想】辻村深月『ツナグ』

辻村深月さんの本って
「自分のために書かれたんじゃないか」
っていう幸福な勘違いをさせてくれる。

自分が名刺代わりにする本は、
同作者の『凍りのくじら』。

この作者が書く、
主人公から見た“周囲の人”に対する感情は
スゴくしっくりくる。

家族の描写が生々しくて温かい。
父や母、祖母という存在の役割と責任。
家族間の苛立ちと愛情。

依頼する人とされる人、
さらにツナグの視点から見た依頼者と
その会いたい人。

人が考えてることが他の人からは見えないことには良さと悪さがある。

自分を客観視して捉えた姿と、
実際に他の人から見える姿は異なる。
これが興味深い。

“失われた誰かの生は、何のためにあるのか。
どうしようもなく、そこにある、逃れられない喪失を、
自分たちはどうすればいいのか。”

死者は生者のために存在していいのか。
生者の欺瞞ではないか。

“ツナグ”という言葉のダブルミーニング

お祖母ちゃん子の自分には刺さった。
歩美の最後の決断が特に良かった。
こんな高校生おる?

生きている間にできるだけ話しておこうと思った。

 

 
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